どこか素朴で懐かしいけれど、仕立てると凛とした美しさのあるポーランドリネンのお話です。
私はよくポランカのリネンさんの布を使っております。ポランカのリネンは、14世紀から続くポーランドのリネン工場で作られる布を日本で販売されているお店です。
リネンと言っても産地は様々。おそらくフレンチリネンやベルギーリネンが有名なのではないでしょうか。「ポーランドリネンの品質ってどんな感じなの?」と私も最初は思っていましたが、現地を訪れた時の人々の生活に溶け込むリネン製品を目の当たりにし、ぜひ日本にいながらポーランドのリネンを手に入れられたら…という思いで、ポーランドリネンを扱っているお店を探していました。
ポランカのリネンは、ポーランド南西部にあるリネン工場で織られています。2000年から協力して取引している工場は14世紀からの歴史があります。 ポーランドにおけるリネン産業は、はるか昔から栄えてきた産業ですが、ポーランド国内にある リネン工場の多くは川の近くにあります。リネンの生地を織るためには柔らかい水が必要になるため、川の近くにリネン工場が多いそうです。そういえば、工場の地元の水を飲んだ時のまろやかな優しい味に感激したことを思い出しました。そんな自然に囲まれた小さな美しい町でポランカのリネンは多くの人の手を経て織られています。
ハリがあるのに手に馴染みやすいし、洗うたびに風合いは変わっていくものの、丈夫であることに驚きます。さらに、うまく形容しがたいのですが、ミシンをかけている最中もとても気持ちがいいのです。ネットや実店舗で様々な材料を探していましたが、結局自分が作っていて晴れやかな気持ちになれるもの、意欲的になれるものに行き着きます。
この「説明できないけれど直観的に感じること…」というのは、案外間違いでないような気がします。作り手さんや、企画販売される方等々、その方たちの想いも布に織り込まれ、私たちは直観で受け取るのではないでしょうか。
そういう気持ちがあるため、「一般的に品質が良いもの」というのは一番ですが、それに加えて「自分が作っていて気持ちのいい素材」ということもいつも心のどこかに置いています。
ポランカのリネンの「変わり織りリネン」を使った作品です。トートバッグを作って残った布も余すことなく使いお揃いのペンケースに仕立てました。この変わり織りは1950年代の織り機で織られている貴重なリネンなのだそうです。東欧の素朴ながらかわいいイメージそのままです。
私にものづくりのインスピレーションを与えてくれるポランカのリネンさんの生地、これからも楽しみにしています。
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