布からストールの形を創る

前回はストールをベンガラで染めた記事をアップしましたが、今回は染める工程の前、布をストールの形にするまでの工程を書きたいと思います。

 

ストール用の生地

コットン、リネン、シルク、ウールなどなど…ストールに適した生地の種類は色々あります。ざっくり素材の名前を連ねましたが、例えば「コットン」と一口に言ってもさらっと涼感のある種類、柔らかい種類、起毛した種類…と、様々です。そこは好みの問題でしょう。

私個人に関して言いますと、デリケートな肌ではないのですが首回りがチクチクするのが苦手で、極寒の日などはしぶしぶマフラーなどを着用しますが、どうもあのチクチク感が気になって仕方ないので、結局外してしまうこともあります。あと、首回りが巻き付けられている感もあまり好きではなく…あ、基本的に首回りの巻き物が嫌いなのかも。

首回りが暖かかったら身体全体の体感温度もずいぶん違うだろうな…と思うことが最近は多々あり、やはり若い頃に露出が多い服でも幾分我慢ができていた時とは体のコンディションも違うのだろうな、とひしひしと感じる今日この頃です。周囲にも「首回りが見ているだけで寒々しい」と言われる始末です。

チクチクが少なくて、首回りへの圧迫感も抑えられて、いつも使えるように洗濯を容易にできそうな生地でストールを作りたいな…と考えた時、私はオーガニックコットンを選びました。

 

オーガニックコットンとは

オーガニック・コットンは、オーガニック農産物等の生産方法についての基準に従って2 ~ 3 年以上のオーガニック農産物等の生産の実践を経て、
認証機関に認められた農地で、栽培に使われる農薬・肥料の厳格な基準を守って育てられた綿花のことです。

-NPO法人 日本オーガニックコットン協会HPより-

化学薬品の使用による環境負荷や身体への影響を抑えられていたり、栽培や加工に携わる人の労働環境や待遇に配慮する…というのがオーガニックコットンの長所です。オーガニックだからと言って通常の綿花と素材自体が違うのかというと、そういうわけではありません。手間がかかる分、正直なところ値段も通常のコットンよりはお高めです。しかし上記の長所などを考えて、今回のストール作りにはオーガニックコットンのダブルガーゼを使用することにしました。

生地の裁断、縫い始める前に

まず生地を裁断しますが、その前に「地直し」をします。生地は歪んでいることが多いので、最初に生地の横糸を抜いて裁断すべきガイドラインになる線を出します。

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生地の「耳」に対して垂直の糸を針などですくって引っ張ると一本だけ横糸が抜けます。途中ですくった横糸が切れてしまうことがありますが焦らず同じ糸を探して拾います。

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きゅーっと引っ張ります。ちょうど服が何かに引っかかって「つれた」ような状態でしょうか。

今回は180cmの長さのストールを作りたいと思います。このストールの長さも好みによると思いますが、周囲の人に手持ちのストールの長さなどのリサーチをして、だいたい180cmくらいかな…と決めました。短すぎるとアレンジがきかず、長すぎると背の高くない人には少々邪魔になるようです。

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今回の布は112cm幅ですので、これを半分に切って約55cmくらいの幅になります。横糸を180cmごとに抜き、裁断をします。

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糸を抜いて出来たガイドラインに沿って裁断していきます。そのあと、布幅が半分になるように縦糸も同じように抜いて裁断、180cm×56cmの布を作ります。

フリンジの長さを決める

フリンジとは、あの両サイドの糸がひらひらしている部分です、そのままにしていてもかわいいのですが、束にしても雰囲気があってかわいいですね。この工程は布を染めてからになりますのでまずはフリンジの長さだけ決めておきましょう。

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今回は5cmにすることにしました。まっすぐなフリンジを作るために、布を裁断した時と同様、両端から5cmのところの横糸を抜きます。

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抜いた線の上を縫います。フリンジを作った時にほつれを防ぐためです。ここで一本線を縫って置くと、フリンジを作った時にストールの本体部分のほつれがありません。

縦の始末は、三つ折りにしたりロックミシンをかけたりという方法がありますが、私は巻きロックで始末をしています。

ここまでが布を染める前の工程です。

布を染めた後~フリンジを作る

布を染める工程は前回の記事でご紹介しましたので割愛します。いよいよフリンジ作りの工程です。

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両端から5cmのところを縫いましたが、そのラインまで横糸を1本ずつ抜き取る作業です。何も難しいことはありませんが、根気だけが必要です。私のような飽きやすい性格だと、ひたすら横糸だけを抜き取る作業が苦痛に思えてなりませんが、そこは他の業務を交えながら少しずつ進めていくしかないですね…。

 

DSC_2080二重ガーゼを使ってしまったので、裏も表も糸を抜かなければならないのは大誤算(汗) その代わり生地のふわふわ感はとても気持ちいいですけれどね。

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5cmのラインまで横糸を抜いて縦糸のみになった状態です。糸の長さがきれいにそろっています。ここで糸の流れを整えておくとこの後の作業がスムーズに進みます。

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このように縦糸の束を約1cmくらい取ります。

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巻きすぎないくらいに糸の束をくるっと巻いて…

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糸の先端を輪っかの中に入れます。先端を細くして輪っかの中に入れやすくすることがポイントです。

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フリンジが一本できました。最初は全ての糸を輪っかに通すことが難しかったのですが、数をこなすうちに慣れてきました。早く終わらせたい!と思い、無意識のうちに一回に取る糸束の幅が広くなっていきましたが(笑)、やはり仕上がりは1cm前後がきれいに仕上がるベストな幅のように思いました。

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フリンジの束が並んだ状態です。最後に結び目から先の糸をほぐして完成です。必要なのは根気のみ!です。

私のように首の巻き物嫌いの方で、もし市販の巻き物に気に入ったものがない!という方がいらっしゃいましたが、意外にも自分で簡単に作れますので、お気に入りの布を見つけて自分だけのストールを作ってみられるのもいいかもしれません。今からの季節、室内でもちょっと首を保温すると体感温度がぐっとあがって快適に過ごせるかもしれませんね。

 

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

福岡県出身、山口県在住。時々沖縄にふらり。 キッチンや庭でひそかに行うゆるゆる草木染め実験も大好きです。