藍を種から育ててみる その3

前回の泥藍完成から、ついに藍を建てるところまで来ました。
これから染料の成分を染められる水溶性になるように微生物の力を借りるのです。(還元=酸化の反対の作用)

藍を種から育ててみる その1
藍を種から育ててみる その2

泥藍のpHを調整する

微生物の力を借りるために、まず泥藍のpHを調整する必要があります。泥藍は石灰を使って酸化し泥藍を沈殿させたものですから、アルカリ性です。
石灰を飽和状態まで入れ水のpHは、約12.6くらいなのだそう。それに対し、微生物が一番働いてくれるpHは11.6~11.8くらい。

なので、泥藍のpHが高すぎる場合、水を入れて静置させては上澄みのみを捨てて、水を足すという、すすぎのような作業が必要になってきます。

泥藍と水を容器に入れます。水は泥藍の質量の約3倍くらい入れました。

pHを測ると、11.8ジャストでした。今までpH試験紙を使っていましたが、これを機にデジタルのpH測定器を購入しました。お値段は高くないものの、結構精度はいいとみました。
そこに、微生物のためのごちそうである「ハチミツ」と「泡盛」をちょっとだけ入れてあげるのです。泡盛は久米仙(30度)、ハチミツはコストコで購入した普通のものです。←めっちゃ庶民的…

微生物が還元剤の役割を担ってくれ、水に溶けない状態の「泥藍」は、染められる水溶性の状態に変化し、その上澄みの色はいずれオリーブ色のようになります。

ハチミツと泡盛を入れて2日経過時の様子です。最初よりほんのり緑色に近くなってきました。空気に接している水面は酸化されるので常に藍色をしています。しかし、染液内は着々と緑色に変化していっているのです。藍の華のような泡も立ってきました。この泡が微生物の元気度を知るバロメーターになるそうです。

ここで気をつけなければいけない点は、日に数回、染液を撹拌することです。雑菌の繁殖を抑えるためです。そしてもう一点、微生物の活動が活発な温度は25~30℃くらい。今、私の住む地域の気温は、夜になれば20℃をゆうに下回ります。そこで、夜間は、染液の入った小さいバケツをお風呂場に移動させています。もちろん蓋つきですよ。これは小さいバケツだからできたことであって、大きな甕(かめ)なんかになると、動かせないので染める時期も考えないといけません。撹拌のことと、温度管理に気をつけて微生物の活躍に期待しながら待った一週間後はこれです。

直射日光の加減もあるのですが、藍色とエメラルドグリーンを混ぜたような神秘的なその色は、まるで沖縄の海のようだな…と思いながら撹拌します。マーブルのような模様をいつまでも見ていたい気持ちになります。ここまで来ると、そろそろ染め頃です。pHは11.7~8、安定しています。「藍の華」も増えました。微生物は元気なようです。

 

いよいよ布を投入

染ムラを防ぐため、染めたい布を予め水で濡らしておきます。どの布を染めようか悩みました。半年間、精魂込めて育てた藍がたった数リットルのバケツ分しかなく、失敗が許されないと思ったからです。大げさでなく、結構ガチで緊張しました。

布(コットン)の切れ端を1分くらい染液に漬け水で流した状態です。うん、ちゃんと染まってる!今回は、オーガニックコットンのストール用生地を染めることにしました。

 

しばらく漬けてはたっぷりの水の中で揺らすようにすすぎます。染液から出した瞬間から、その色は緑色からみるみるうちに藍色に変化していきます。水の中に含まれる酸素とも反応しながら藍色を深めていくらしいです。3回ほどこの作業を繰り返しました。

 

小さいバケツの中で染めたのでムラができてしまったのは残念ですが、想像以上にきれいな色に染め上がりました。ここ最近、こんなに感動したことはありませんでした。
やんばるで見た琉球藍の深い色には遠く及びませんが、初めての藍栽培から染色にしては上等ではないでしょうか。ここまでの過程を丁寧に教えてくださった沖縄の染め家さんには心から感謝しています。

フリンジを作って、手刺繍をしてみました。この世に一枚だけのストール完成です。

染色は、一期一会です!!

いつか、誰かの手に届きますように。

ゆるゆると、自然の中で布に関わる手仕事について綴るブログです。

自分の中にあった溢れる好奇心と、「自分の居場所を見つけたい…」という想いから始めました。
たくさんの方と想いを共感できると嬉しく思います。

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