ヨウシュヤマゴボウにご用心

つやつやしていて、深い紫色の小さな実がたわわに実っています。この植物をご存知でしょうか。この季節になるとおいしそうに見えるこの実を見つけて思わず足を止めてしまうのですが、実はちょっとご用心な植物なのです…

 

この実の名前は

ヨウシュヤマゴボウ

カナダからアメリカ合衆国、メキシコ北東部の原産で旧世界や南アメリカに広く帰化しています。

開花・果実期 高さ1.5m~2mほどになる多年草。根は長くゴボウ状です。茎は無毛で、秋になると赤くなります。葉は長さ30cmほどで、長楕円形。花序は長い花柄があって垂れ下がり、白~薄紅色の花をつけます。

光沢のある果実は直径1cmほどで、垂れ下がる花序につき、緑から暗紫色に熟します。

日本でも明治時代初めに渡来して、各地の市街地の空き地や道端などで雑草化しています。

-淡交社「人もペットも気をつけたい園芸有毒植物図鑑」土橋豊著より-

※旧世界とは、ヨーロッパ・アジア・アフリカとその周辺の島しょ部の総称

外来種だったのですね…「ヨウシュ」とは、そう、「洋種」のことです。小さい頃、私はこの植物のことをずっと「ヤマブドウ」だと思っていました。そう教えられたのか、それとも聞き間違えたのかは忘れましたが、確かに子供がこれを見るとおいしそうな果実に見えるので「ブドウ」と思い込んでしまったのかもしれません。潰したり、色水を作ったりおままごとで大活躍の植物でした。

一説によると外来種が在来種よりも強くなる理由として、今まで長い時間をかけて形成されてきた生物のバランスの中に突然乱入してきても、天敵になるものが少なく大繁殖を起こしてしまいます。平たく言うと対抗馬がいないということでしょうか。もちろん全ての外来種に当てはまることではなく稀にそのようなケースがあるということです。

実は有毒だったヨウシュヤマゴボウ

毒性成分  フィトラッカトキシン phytolaccatoxin :フィトラッカゲニン phytolaccagenin をアグリコンとする数種の配糖体(サポニン)の混合物。主成分はフィトラッカサポニン E phytolaccasaponin E 。有毒成分は煮沸により分解される。

中毒症状  果実と根に有毒成分を含み、食べると 腹痛・ 嘔吐・下痢を起こし、ついで延髄に作用し、けいれんを起こして死亡する。 皮膚に対しても刺激作用がある。

-厚生労働省HPより-

実は有毒植物だったのですね。え?こんなにおいしそうに見えるのに…下痢、腹痛、嘔吐、倦怠感、そして果汁が皮膚につくことで皮膚炎を引き起こすこともあるのですね。毒の強さは根>葉>果実の順ですが、全体に毒が含まれていることには間違いありません。

なんか小さい頃ちょっとだけかじったような記憶があるんですよね…💦どんな味がするんだろうって。ほんのちょっとですよ。青臭くて酸っぱいというかエグいというか…これは食べるものではないと思ったことをうっすら覚えています。

子どもは中毒になりやすいので絶対マネしないでくださいもちろん大人もダメですよ!食べても美味しい果実ではないですし。

ちなみに「山ごぼうの漬物」に使われいる原料はモリアザミという植物の根であり、このヨウシュヤマゴボウとは全く違う種類の植物ですので、間違ってもヨウシュヤマゴボウの根で漬物を作るなんてことはしないで下さいね。

なんとハリカメムシのパラダイスになっていました。君たちは汁を吸っても平気なんだね… あまり昆虫が得意ではないので画像を小さくしておきます…

染め物の原料としてのヨウシュヤマゴボウ

別名インクベリー(Ink Berry)の名の通り、染め物の原料として使われることもあるようです。その鮮やかな赤紫色の果汁は、服などにつくとなかなか落ちません。

 
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実を潰してみました。黒い種子と共にきれいな色が広がります。ああ、この色で布を染めたい!!染めた布を食べるわけではないので別にいいのかな…という気にもなりますが、なんだか有毒だということを知らされると、「ヨウシュヤマゴボウで染めたいです!」と大手を振っては言い切れないです…安全第一でいきたいと思います。

こんなにきれいな色を目の当たりにしながら、本当に後ろ髪をひかれる思いではありますが、今のところ私の草木染めの材料リストに入ることはなさそうです。

ちなみにヨウシュヤマゴボウの花言葉は野生、元気、内縁の妻です。最初の二つはなんとなく分かる気もしますが、どうして内縁の妻なのかしら…。

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ABOUTこの記事をかいた人

福岡県出身、山口県在住。時々沖縄にふらり。 キッチンや庭でひそかに行うゆるゆる草木染め実験も大好きです。