ハンドメイドのイベントに初出店して気づいた自分の気持ち

前回の記事にも書きましたが、去る日曜日、ハンドメイドのお店を生まれて初めて出店しました。お店の前で足を止めて作品を手に取ってくださった方、リーフレットを持ち帰ってくださった方、そしてご購入いただいた方、本当にありがとうございました。

準備を甘く見ていた

準備を始めてから2ヶ月半。最初は作るペースもゆっくり週末のみだったのですが、日が迫るうちに、もしかしたらこれは間に合わないのではないか…ということに気づき、毎日せわしなく動いていたように思います。手刺繍の作品という性質上、量産できるものではないので、一人で作るには限界というものがあります。しかも、気持ちが落ち着かないと刺繍の目はなかなかきれいに揃わないのです。なので、早く仕上げなきゃ!と焦ると、たいていは納得できずにやり直すことになります。

そして、ディスプレイも自分でやらなければいけないことが頭からすっかり抜け落ちていて、これをどう創り上げていくのかということにも、ものすごく時間がかかりました。焦っていたけれど、自分の世界観というか、このディスプレイも含めて自分の作品だという気持ちがあったため、時間や経験がないながらも、妥協はどうしてもできませんでした。

自分ができる範囲の中で最大限に頑張ったお店の雰囲気はこんな感じです。

まあ、若干抜けているところはあるけれど(笑)、ほぼほぼイメージ通りになったのではないかと…。しまいには家族も動員し、ワインの木箱にひたすらアンティークワックスを塗るという作業に徹してもらい、助かりました。

値段をどうするか…というシビアな問題

実は、ずっと作品に値段をつけられずにいました。家では決められないから、前日の搬入の時に、周囲の雰囲気を見て決めようと思っていたのだけれどそれでも決められず、結局全部の作品に値段がついたのが、イベント開始の30分前です。

それは、周囲のお店に比べて作品の単価が高いということが自分でも分かっていたから。これには本当に悩みました。

安くすれば売れるのかな。でも、自分のこだわっている素材のこと、天然染料のこと、手刺繍という結構時間のかかる作業のこと。いろいろ考えると価格破壊みたいなことは絶対に起こせない。高いと思われてしまったら、もう売れなくてもいいや。今日は経験を積みに来たんだ。そう思うと、変に高くして儲けようとか、逆に安くしてたくさん売ろうとかそういうことを全く思わなくなり、自分の作品や、自分のこだわったお店の雰囲気を見て、適正に評価してもらいたい…という気持ちだけになりました。

自分の気持ちとの格闘(笑)

…というと大げさですが、いったん吹っ切れたものの、自分のお店だけスルーされたら…とか終始考えているし、周囲の繁盛っぷりなどをチラ見しては凹むわけです。うわ…もうこれは出店することが間違ってたかな…とか、しょんぼりしたり。

でも、でも…

商品を手に取ってくれる人がいらっしゃって、それだけでも嬉しい。
自作パンフレットを手に取ってくれる人、自分のものづくりに対するコンセプトを載せたパネルを読んでくれる人がいる。

最初はそれでいいんだと思います。INDIGO DROPSという名前と、自分の表現したかった世界観みたいなものの存在を知ってもらうことって、簡単そうで実は簡単ではないことだと思うのです。

ちなみにこのINDIGO DROPSという名前は、貴重な藍のひとしずくからインスピレーションを感じて自分のブランド名にしました。ちょうどもの作りをはじめた二年ほど前に、ぼんやりとこんなことがしやりたいな…と思っていた時に突如頭の上に降ってきた(?)名前なのです(笑)。自分の作ったものに名前をつけるなんて、最初はものすごく抵抗もあったし気恥ずかしい気もしたけれど、今は初めてものを作った頃の気持ちを思い出させてくれるこの名前がとても気に入っています。

 

昼も過ぎたころ、作品に興味を持って下さる方がいらっしゃいました。藍染めのことや草木染めのこと、刺繍のことをたくさん質問して下さったり、実際にいくつかのバッグを手に持って下さったり、本当に嬉しかったです。

そして、ついに私の作品がお嫁に行く瞬間が訪れました。少しだけ、自信を持てた瞬間でした。

それからも何人かのお客様にお越しいただき、中には数個まとめてお買い上げいただくお客様もいて、涙が出そうになりました。

 

誰か一人のために作りたい

この一日のイベントが終わった時、私が感じたことは、万人受けはしない世界観だけれど、誰か一人でも共感してくれる人がいるのなら、細々ながらものづくりを続けていきたいということでした。

少し考えたのです。私は雑貨屋巡りが大好きなのですが、自分の感性にはピンと来ない商品が自分が思っているよりもお手頃価格で売られていた時、自分なら買うかな…って。例えお値打ちでも多分買わないかな。恐らく、ハンドメイドの世界もそういう感覚に通ずるところがあると思うのです。

基本は一点ものなのですが、時々内布のみが違ったり、刺繍の微妙な表情のみの違いという作品もあります。実際、似ている作品のどちらがいいかと尋ねられた時は、「作品から何かを感じられるほうがいいと思います」と素直にお答えしました。感性にピンと来たものをお買い上げいただいて、長い間お気に入りにして下されば…。私はそういう気持ちでいます。

 

いつかINDIGO DROPSの作品だから買いたいな…と思ってくださる人がいたら、私はその人のために何かを作りたいと思います。

このブログも、一体誰に向けて綴っているのか分からない節があり(笑)、結構血迷っていたりもするのですが、そう言えばこういう名前のお店を出している人がいたな…と思い出してくれる人にヒットしたら、それはそれでいいかなと思います。

ご購入いただいた方、ありがとうございました。いつかまたお会いできる日が来ると嬉しいです。

 

2 件のコメント

  • 想いは伝わると思います ^^)/
    お値段をつける気持ち、
    モロモロ焦る(!?)気持ち、わかります。

    売れる売れないではなく、
    足を止めて下さった方、
    興味をもってくださった方、
    お話しをして「ですよね~❗️」って
    共感できた時の何にも変えられないヨロコビ✨
    あの感激が何よりのPower↑↑↑になりますよね

    私もひとりでしたのでゆっくりと
    Indigo Dropさんを拝見するコトができず
    残念でしたが、初めてとは思えぬ❗️
    お店構えでしたよ~

    • ベジバッジさん、ありがとうございます。

      そうですね、興味を持っていただいた、共感してくだる方がいらっしゃる…本当に作って良かったな…と思える瞬間でした。

      今度どこかのイベントでお会いできた時にはまたお話ししましょうね♪♪

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    ABOUTこの記事をかいた人

    福岡県出身、山口県在住。時々沖縄にふらり。 キッチンや庭でひそかに行うゆるゆる草木染め実験も大好きです。