土地に命を吹き込むぞ!

土地に命を吹き込む準備

…なんてえらい大げさなことでもないですが、今、四半世紀くらい何も作っていない状態だった土地を復活させようとしています。

 

ずっと昔、田んぼとして使われていた土地なのだそうです。ほとんど管理されていない周囲の土地には枯れたセイタカアワダチソウやカヤが2~3mほどにも伸びている上、竹藪でぐるりと囲まれているので、何もないこの場所だけちょっと独特の雰囲気を醸し出しています。おまけに、竹藪の向こう側がちょっとした崖になっているので、ますます周囲とはかけ離れた隠れスポットのような感じです。

私個人的に、自分たちの土地の中では一番好きな場所です。前述の不思議な雰囲気がとても居心地が良く、あわよくば小屋くらい建てて何かおもしろいことをやってみたいな…と思っていたりもします。

秋口に草刈りをしていたお陰なのか、周囲がセイタカアワダチソウの残党だらけにも関わらず、ここだけ草が青々と生えているのはとても有り難いことです。しかも生えている草がカラスノエンドウなど柔らかい草ばかりなのです。これは土づくりにいい影響を与えてくれそうです。しかし刈った時はここで何かをやってみようというつもりは毛頭もなく、あくまでも管理の一環としての草刈りでしたので、こんなに役に立つことになるとは考えてもいませんでした。

柔らかい草ばかりなので、今後いい影響を与えてくれそうです。

果樹園計画

この土地をどう生かそうかと考えた時、ものすごく致命的な問題にぶち当たりました。なんとこの土地…

水が来ないの(*_*)

昔の田んぼ時代にはちゃんと水路もあったようなのですが今では全く機能しておらず、水路を復活させようにもこれはとても大変な作業になりそうです。というか、ほとんど水路復活への期待はできない感じです。はて、どうにか水なしでも頑張れないかと考えた時、果樹園にしてはどうか?という案が浮かびました。

元田んぼというだけあり一応保水性は良いので、全くカラカラというわけでもない土の質です。専門の方に果樹が育ちそうかどうか見てもらったところ、畝を作れば十分いける!とのことでしたので、あれこれ余計なことは考えず、とにかく猪突猛進で作業開始です。何を植えるか何種類か候補に入れつつ、しかし一にも二にも環境の整備をしなければ先に進めないので、刈って倒れたままのセイタカアワダチソウや竹をひたすら集めます。

セイタカアワダチソウって枯れると茎がとっても堅いので表面に倒れたままだと残ることが多いのです。これが散乱している状態だと邪魔で作業が何も進まないので、とにかく集めます。土づくりとか悠長なものではありません。ヒッツキムシ(センダングサ)と格闘しながら、そして時々ノバラが刺さって悲鳴をあげながら休みはほとんどこの作業に費やしています。

しかし、倒れた枯れ草の層をめくると結構いい感じに分解が進んでいて、なかなかいい仕事をしてくれていることに気づきました。毎年草刈りだけはしていたので、落ちた草や葉が重なってかなりの腐葉土層ができています。

表面にかぶさっている葉などをめくると白い糸状菌がたくさんいます。

我々人間が一生懸命になって深く耕すというよりは、いい仕事をしてくれる微生物にとって住みやすい環境を作り、作物に直結する土しごとは彼ら微生物に一任したほうが絶対うまくいくと思っているので、こういう自然のサイクルはできるだけ大切にしながら作業を進めて行きたいところです。肥料など余計なものも入れず、自然の力にお任せします。

 

無煙炭化器いざ出動!

枯れたセイタカアワダチソウの茎や竹は、すぐに背丈以上に積みあがってしまうほど大量なので、ここで無煙炭化器の出動です。

モキ製作所の無煙炭化器M100

もともとは竹炭を作ろうと思って購入したものなのですが、かなりの火力になり積み上げた枯れ枝もあっという間に片づけられる威力にびっくりします。この画像では煙がもくもく出ているように見えますが、火力が安定すると煙はほとんどなくなります(完全にではないですが)。湿った草木では水蒸気は出ます。底のないただの円盤に見えるこの物体のどこにこんな力があるのだろうとも思うのですが、ただ燃やすだけにしても煙の少なさは、野焼きとは格段に違います。※煙が少ないと言っても住宅地ではやめておいたほうがいいです。

この炭や灰は、全て土に撒いています。多孔質が有用な微生物の良い住処にもなりますし、pHを調整する役目も果たしてくれます(酸性を好む植物には多用しないほうがいいかもしれませんね)。

 

できたての灰は、当たり前ですがめちゃくちゃ高温です。そこら辺に放置しているとそこから着火してしまうほどのパワーです。ただ冷ましておくのもなんだか熱エネルギーがもったいない気がするので、なんか楽しいことはできないかな…と考えた時に…

穴を掘って、飯盒を埋めて、

熱々の灰をかけて放置してみる。

成功するか分からないけど、いつものごとく好奇心のほうが勝ってしまってつい…。

 

 

45分後

作業の合間の昼ごはんの完成です!!炊き立てごはんと、畑から引っこ抜いてきた大根をたくさん入れた野菜のスープ!!農作業から完全に脱線の方向です。

 

こんなに楽しいことが出来るなら、灰をただただほっといては、もったいないお化けが出そうです。ちょっと作業に余裕がある時は、こんなプラスアルファも楽しいです。

 

ゼロの土地からどこまで創り上げられるかな

この土地は不便な場所と水が全く来ないことから「使えない土地」と放置され続けていました。でも、もしかしたらどうにかなるかもしれんな…と思い始めてから、工夫とゆるい努力でおもしろい場所に出来そうな気もしてきました。

里山整備の観点からも、持っている土地は楽しんで有効利用していきたいです。田舎には、このように放置され続けてどうしようもなくなっている土地がたくさんあり、結構深刻な問題です。

すでに私の頭の中ではここは果樹園になり、竹で半日陰になっている部分には藍畑ができています。きっとご先祖様たちも「とうとう、この家にとんでもない発想のヤツが登場しよったわ」と草葉の陰からハラハラして見ていると思いますが、楽しみながらやっていきたいと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

福岡県出身、山口県在住。時々沖縄にふらり。 キッチンや庭でひそかに行うゆるゆる草木染め実験も大好きです。