草木染めに不可欠な媒染剤とは

多くの草木染めに必要な「媒染(媒染)」という工程。今日はこの媒染についてのお話しです。

 

媒染って何?

草木染めをやってみようと思った頃は、植物の煮汁に布を漬けておけば簡単に染められるだろうと思っていました。まぁ確かにそれも少なからず間違いではないのですが、それだけ着色するのすぐに落ちてしまうものや、微妙にしか色が出ない植物もあります。

そういう植物から抽出した色素をアシストする役割を担う工程が「媒染」なのです。布の上にふわふわ乗っているだけの状態の色素をがっちり繊維に固定させ発色する方法です。

具体的な媒染剤の例

大きく分けて二種類の方法があります。まず一つ目は金属の力を借りること。金属が上記の「がっちり固定させる」役目をしてくれます。

一番簡単に手に入り、広く使われている媒染剤は、キッチンでもお馴染みの「ミョウバン」です。白色で細かい粉状のミョウバンは、ナスの漬物の発色、野菜のアク抜きにも使われるようです。私の近くのスーパーでは1袋200円程度で売られています。これは硫酸カリウムアルミニウム(12水和物)で、アルミニウムが媒染の役割を果たします。使うときは1Lの水に大さじ一杯程度の割合で使用しています。古くから温泉の成分であるミョウバンも使われていました。明礬温泉の湯の花でも試しに媒染したことがありますが、これはキッチンのミョウバンとは明らかに違う色に染め上がります。ミョウバン以外にも含まれる他の金属成分の影響も受けるようです。

を含む方法にはいわゆる「おはぐろ」(錆びた鉄を酢で煮て作る)方法があります。なんとなく強烈な色を想像してしまいますが、その名の通り黒っぽい色の液です。

もう一方の方法は染液を酸性やアルカリ性に傾けて煮出すことで発色をよくする方法。酸性媒染剤の代表は梅酢や米酢、クエン酸、アルカリ性は草木灰、石灰、重曹、炭酸カリウムなどが挙げられます。灰(木灰、藁灰、石灰など)は水に溶かすとアルカリ性を示すのですが、灰の原料となる植物により微量に含まれる成分も発色に影響を及ぼします。特に今回使用する「椿灰」はアルミニウムを多く含み、土中に比べて数十倍の含有量なのだそうです。

つまり、媒染剤を使った時の布の色=植物の色が媒染剤によって引き出された色ということです。ある植物の染液をミョウバンで媒染しようがおはぐろで媒染しようが、色が違えどその植物の持つ色に変わりはありません。この目の前にあるきれいな染液の色をそのまま布に移したいと思うことも多々あるのですが、どんな色であってもその植物が本来秘めている色が出てきたと考えれば、それはそれでいいかな…と思うことにしています。

その他、銅を媒染として使う方法もありますが、環境への負担を考慮し、今のところ使用は考えていません。錫、クロム系も同じ理由です。

これから使用を予定している媒染剤

今、使用しているミョウバンの他に椿灰の使用を考えています。椿灰は、伊豆大島から送っていただきました。椿の枝木を枯れないうちに数日かけて強い火力で焼き、相当の労力を必要とするそうです。たくさんの枝木を焼いてもたった数%しか残らないとても貴重な灰なのでお値段もそれなりにしますが、昔から染めの媒染剤として使われていた椿灰を使ってみたかったので、今回思い切って手にしてみました。そんな貴重な灰を使って、週末に予定している草木染めへ向けて着々を準備を進めていこうと思います。

 

ゆるゆると、自然の中で布に関わる手仕事について綴るブログです。

自分の中にあった溢れる好奇心と、「自分の居場所を見つけたい…」という想いから始めました。
たくさんの方と想いを共感できると嬉しく思います。

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