庭のオリーブで草木染めをしてもきれいな色が出ました。今日はオリーブからいただいた目の覚めるようなイエローと、そんなオリーブを長期間メンテナンスしなかった結果痛々しい姿にしてしまった様子をお伝えします。
丈夫な庭木としてやお店のシンボルツリーとしても人気のあるオリーブ。我が家の庭に生えているオリーブは今から9年ほど前にやってきました。頂いたものなので、品種が何なのかまったく分からないのが致命的なのですが、二本並べて植えたオリーブの木がそれぞれ異品種だということだけ分かっています。オリーブには12種4変種があるそうです。意外と少ない印象。これだったら葉や木の形である程度まで種類を特定することができるかもしれません。
最初は50cm程度だったのですが、9年経過した今では大きいほうのオリーブは2mくらいに生長しています。
ところが数年前くらいから、ところどころ葉が黄色になったり落葉する時もありましたが、まぁそんなこともあるわな…オリーブって何となく強そうだし、厳しい環境でも大丈夫そう…と勝手に思っていたところ友人に「それは栄養足りてないから!」と指摘され、9年経ってやっと我が家のオリーブの木のことを考えることにしました。
オリーブは生長が早く、生命力が強い木です。環境への適応範囲が広く、あまり気をつかわなくても、まず枯れてしまうことはありません。(略)…とはいえ、適切な条件をそろえなければ、よりよく育ち、美しい樹形や豊かな果実を楽しむことができません。
-創森社「育てて楽しむオリーブ栽培・利用加工」柴田英明編より-
比較的厳しい状況でも育つ植物とは言え、肥料や剪定、樹齢を重ねれば根回し(余分な一部の根を切り新しい根の発生を促すこと)も必要だということが分かりました。よりよく育つ適切な条件を何一つ与えられていない我が家のオリーブがなんだかかわいそうになってきました。
黄色くなりかけた葉と裸になった枝。ここにあったはずの葉も黄色くなって落ちていきました。剪定も全くしていなので、木全体が変な形に生長しています。ちょうど今の季節が来春に向けて肥料を施すのにいい時期ということで有機肥料を与え、アルカリ性を好むオリーブなので木灰も根元から少し離れたところに散布しました。時期を見て剪定もします。その時は枝木を使って草木染めもできそうです。
そう言えばこのオリーブ、毎年5月になると小さく白い花を咲かせるのですが実がなったことが一回もありません。単に栄養不足なのか品種の問題なのか…
さて、この間の夏、オリーブでリネンを染めてみました。葉と枝を煮出し、ミョウバンで媒染しました。
目の覚めるようなきれいなイエローだと思いませんか?まさかあのオリーブグリーンの葉からこんな冴えるイエローが出るとは思っていませんでした。オリーブで染色した布は日光堅ろう度(日光による染色物の変退色の安定性で、光源に一定時間暴露した後の変退色の程度を判定する)も良好ということなので、バッグや洋服などに仕立てても面白そうですね。ちなみにオリーブを煮出している時は、まるで栗のようなほっくりした香りがしますよ。
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