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蜜源植物とはちみつの味のこと

ミツバチ一群は、氷点下になることもあった冬をなんとか無事に持ちこたえ、3月末の初分蜂を皮切りに、数回巣別れをしました。

3月30日、お母さん群が飛び立つ。

お隣の空き家の庭木、地上3mほどに蜂球を作りました。

その後、2週間の間に長女群、次女群が元巣から旅立ちました。(もしかしたら留守中などで把握できていない分蜂があったかもしれません)

これで一段落…と思いきや、ゴールデンウィーク中に全くノーマークの夏分蜂(お母さん群の勢いが強いと、一回目の分蜂シーズンが終わっても再び分蜂が起こることもある)があり、今は計4群が私の周囲にいます。本当はもう1群分蜂したのですが、ちょっと離れたところの別の方の巣箱に入ったようです。

というわけで、どうにか増えてくれたミツバチたちに囲まれ、ますます楽しい畑ライフを満喫しているところです。が、つい先日、木の高いところからものすごい羽音がする!もしやまた分蜂が起こってしまったのでは…ととても不安になりました。日本ミツバチの場合ですが、群同士が共有する蜜源の量の問題などもあり、一つの蜂場に置く巣箱の数は少ないほうがいいと聞き、これ以上分蜂が起こると、新たな巣箱を離れた場所に持っていかなくてはいけませんし、巣別れするということは、多少なりとも群の勢いが分散されてしまうということ。

高いところの木の幹に蜂球ができていないか目を凝らしてみてみると…

分蜂ではなかったです。ものすごい数のミツバチが訪花していました。本気で分蜂かと思うくらいの羽音、ここでお伝えできないのが残念です。高いところにしかミツバチがいないので、その姿も画像でお見せすることができないのも非常に残念です。

この木、名前が分からなかったのですが、どうやらハゼノキらしいです。ウルシ科で、かぶれることで有名な木ですね(苦笑)。人によっては近くを通るだけでかぶれるのだとか。奇跡的に一枝だけ手の届くところにありました。花はこんな感じです。

まぁ、なんとも地味な花…。しかし、この花がこの時期、ミツバチ界では大ブームのようで、朝からワンワン羽音を響かせながら蜜を採っています。ハゼノキのはちみつはとてもおいしいとのこと。はちみつでかぶれることもありませんのでご安心を。朝はミツバチやクマバチたちで混雑していますが、昼前になると蜜切れになってしまうのか、姿もまばらです。

畑の北側にある林。この中にこんな素敵な蜜源植物があることをミツバチに教えてもらいました。『木を見て森を見ず』どころか、私はこの一本の木すら見ていませんでしたね。ミツバチたちがいなければ、ただ「木々の集合体」としてしか捉えることができなかったでしょう。ちなみに、二度も分蜂した強いお母さん群は、今、この木々の下に住んでいます。

 

思いがけず分蜂してしまったので、とりあえずな感じでよしずで日除けをしていますが、もうすぐ梅雨に入りますので、雨除け日除けは万全な体制に整えたいと思います。

 

ところで、表題の蜜源植物とはちみつの味の話をしたいと思います。ここで採れる秋~冬に入るまでのはちみつの味が、もしかしたら人によってはちょっとクセを感じるかもしれません。セイタカアワダチソウの蜜が入るからだと、私は思っています。確かに、ネットで検索してみるといろいろ出てくるわこの植物の蜜の酷評が(苦笑)。でも、一方で海外ではゴールデン・ロッドハニーと言う名の高級はちみつとして売られているという話も(日本で咲いているものと同種なのかは分かりませんが…)。

凄まじい繁殖力を持つ外来植物として畑では嫌われている感も否めませんが、晩秋に近づき蜜源が非常に乏しくなる頃、ミツバチにとっては冬を越すためのとっても重要な植物でもあるわけで…。

秋~冬の蜜

春~夏の蜜、色も味も全く違います

季節ごとに色も味もばらつくのは仕方ないとして、このように万人受けしないものを皆さまにお届けしても良いものなのか…と正直ちょっと悩みました。しかし、私が日本ミツバチと暮らし、彼女たちの貴重なはちみつを頂く上でどうしても大切にしたいことは、

○基本的に給餌はしない
○蜜は垂れ蜜だけを瓶詰めする
○ミツバチたちの自由意志に任せる

の3つです。給餌はせず、採れる分だけをミツバチに無理をさせない範囲で頂きます。が、個体数が少なくなったり、女王の調子が悪かったりと群の存続が危ぶまれる場合は、はちみつを返して給餌とすることがあるかもしれません。自己血輸血みたいなものでしょうか。

垂れ蜜だけ…というのは、巣ごとギュっと絞ってしまうと明らかに雑味が出てくるからです。気温が低くなければ7割程度は垂れ蜜として採蜜できます。残り3割はもったいないので絞り、自分たちで消費するか、前述の緊急の給餌用として保存しています。

ミツバチの自由意志に任せると考えているのは、ミツバチには一応私の巣箱に住んでもらっていますが、あくまでも自然の環の一部です。どの花の蜜を採って来るのかは私にも分かりませんが、彼女たちにとって四季折々ベストな選択をして集めている結果がこのバラツキだと思っています。

 

微力ながら力になりたいとせっせと庭で様々なハーブなどを咲かせてはみるものの、「あなたの浅知恵には乗らないわ」と言わんばかりに完全スルーされ続けています(笑) 近くの花を集めたほうが楽そうだけど…こればかりは好みがあるので仕方ないですね。これからも、彼女たちの好きな花の蜜が絶えない環境が消えないようにと願うばかりです。

 

 

kana: 福岡県出身、山口県在住。時々沖縄にふらり。 キッチンや庭でひそかに行うゆるゆる草木染め実験も大好きです。