雪もちらつく一月某日。代休を取って平日に一日フリーな時間を手にした私には、絶対に行くと決めていた場所がありました。
それは植物館。
山口県宇部市のときわミュージアム・世界を旅する植物館は、2017年の4月にオープンした植物館です。世界中の植生を8つのゾーンに分け、世界を旅するかのように珍しい植物や花、果実に触れ合うことができます。
この写真は8つあるゾーンのうちの一つ、熱帯アジアゾーンで撮影した一枚です。なんかもう、臨場感が溢れ、もはや植物館ではなく本当に森の中に入ったように感じるところもあります。他にも世界の各植生のゾーンがあるのですが、どうも私はこの熱帯アジアゾーンがお気に入りで、すごく安心感みたいなものを覚えます。どうして懐かしいような気持ちになるのかな…と考えていたら、ここ、沖縄の自然の中の風景に似ているところがあるのですよ!
この渦巻きが特徴のヒカゲヘゴなんかは、やんばるの森の中に生えてますね。
外は雪がちらついているのに、中は湿度も高めで暖かく(でも全然不快ではないです)、着込んできたコートとマフラーは即脱ぐことに。ちょうど冬に那覇空港に降り立ち、本土との寒暖の差に「沖縄に来た~!」と実感する瞬間にも似ています(笑)
もうこの気温と湿度だけで私の沖縄に対する郷愁はマックスです。
こんな生物もいました。
植物館に来たかった今回の一番の理由…植物の色や形を詳しく確認しながらスケッチしたかったのです。刺繍で沖縄の植物や森の中を表現できたらいいな…と思ったのですが、現地で撮ってきた写真では足りないところがあり、実際に行った時によく観察できなかった部分もあるので、今一度本物の植物を観察したいな、と考えていました。図鑑を参考にすることはよくあるのですが、本物の植物に勝るものはありません。まぁ月一で沖縄に行けるくらいの余裕があれば問題ないのですが、なかなかそうもいかないところが辛いところです。
先日、所用でこの植物館を訪れた時、自分の中での先入観とのギャップで衝撃が走り、絶対ここはプライベートで来ないと!と息まいてこの日を楽しみにしていました。
個性的な植物にはついつい惹かれてしまいます。
一番刺繍で表現したいと思ったのはこのスマトラオオコンニャク(サトイモ科)の葉っぱです。特徴のある葉っぱがかわいらしいですね。
この世に存在するカタチには、全て意味があると思うのです。なんだか周りから浮いた色や形をした植物にも、きっとそれぞれに深い理由があるはずで、それをまじまじと見つめながら理由を妄想するのが好きです。植物に対して学問的な知識はほとんどない私ですが、そんな私だからこそ、これらの色や形を感覚的に捉えたいと思うのかもしれません。
「生り物(なりもの)」に弱い私…植物館の物は採ったらダメ。ゼッタイ(笑)
月桃などは、私の中では刈って草木染めにするのが普通になっているので、思わず葉っぱをちぎってしまうところでした。我に返って良かったです。無意識って怖いです…それくらい自然の中に溶け込めそうな魅力たっぷりの植物館なのです。管理されている職員の方の並々ならぬお力があってこそ成り立つのだと思います。
今回は熱帯アジアゾーンを中心にお伝えしました。気づけばこのゾーンだけで一人で滞在時間1時間半!写真撮影枚数300枚超!どれだけお気に入りなのかと自分でも突っ込みたくなります。これからも自然からデザインを学びたい時、癒されたい時、植物館を訪れたいと思います。他のゾーンをじっくり見学するのはまた次回に!