他の方々のHPやブログ等を拝見していると、草木染めで月桃の「葉」の部分からとても濃いピンクの染液を取られているようなのでとても羨ましいです。…というのも月桃の葉を使うと、どうしても先に黄色が出てきてしまうのです。そのため、私が染色をするとどうも黄みがかったピンク≒薄いオレンジ色に近くなります。葉を煮出した時の経時な色の変化をご覧ください。
ここまで煮出しても、実際布を染めると黄みを帯びます。しかしこれは「葉」部分を煮出した場合で、茎(実際は茎ではなく「偽茎」と呼ばれる部分ですが)を煮出すと、また違った色が抽出できます。
これは初めて草木染めをした時の様子です。沖縄に行った時に実際に葉と偽茎部分を分けて染めてみました。まずは葉のほう。
この時は「まぁ、こんなものか」と思っていましたが、今思うと黄色がとても強く出ています。もう少し火にかけていたらもう少し赤味を帯びたのかな…とも考えてみたりしましたが、今となっては分かりません。
一方こちらが偽茎のほう。ほぼ同じ時間火にかけていたはずなのに、葉のみから抽出した場合と色がだいぶん違います。
ここまでは本当にきれいなサーモンピンクでした!しかしこの時は媒染の知識が全くなく、食酢(原液)に浸漬した瞬間、サーーーっと色が消え失せました。私の血の気も消え失せました。
なぜ葉部分とその他の部分では出てくる色が違うのか…。やはり葉の緑色が邪魔をしていると考えるのが妥当なところでしょうか。
葉の緑→煮出して最初に黄色が出る
黄色+後から出てくるピンク色=薄いオレンジ なのかなぁ。
最初の黄色の染液は捨ててしまったほうがいいのか?という疑問も残ります。
ちなみに、月桃の葉や茎よりも根から強いピンク色が抽出できるようです。それは次に沖縄に行った時の楽しみにしておきます。
おまけ
冒頭で色を抽出した月桃の染液を使い、媒染剤等を変えて染色の予備評価をしてみました。
左から無媒染、椿灰媒染、椿灰媒染+梅酢、ミョウバン媒染
ミョウバン媒染で黄色が強くなります。椿灰も若干その傾向がありますが、ミョウバンほどではありません。アルミ媒染由来の発色なのでしょう。
左から無媒染、石灰岩+食酢、梅酢、
明礬温泉の湯の花媒染
湯の花媒染の色はだいたい想像できました。あとはどれも似たようなものなので、媒染剤としては働いていないように思います。むしろ無媒染のほうがきれいだったりして。
ちなみに石灰岩+食酢とは一体どういうことかというと…
こういうことです.。o○(苦笑)
石灰岩を食酢で溶かしたらどうかな…という単純な好奇心からやってみました。やっぱり効果はないようですね。今のところ、椿灰で媒染をし、黄みが強く出るようであればそのあと希釈した梅酢に浸漬するというのがきれいなピンク色の月桃染めのために今自分ができるベストな方法かな…と考えています。
もちろんもっといい方法があるかもしれませんし、それはこれから実験を重ねていくうちに是非見つけて確立したいと思っています。