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焼きミョウバンと湯の花を媒染剤として使う

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草木染めの媒染剤としてよく使われる「ミョウバン」と、明礬(みょうばん)温泉の湯の花。両者を使って媒染をした時の色の違いを比較してみました。いつも使っている媒染剤は、食品に使われているいわゆる「焼きミョウバン」というものです。草木染めの媒染剤として一般的に広く使われています。一番身近で入手しやすい媒染剤なのではないでしょうか。この「焼きミョウバン」は合成の硫酸アルミニウムアンモニウムもしくは硫酸アルミニウムカリウムなのですが、自然界にもともと存在していた「ミョウバン」も古くから染めの媒染剤として使用されていたようです。

大分県に、かつてミョウバンの産地として歴史のあった明礬(みょうばん)温泉があります。そちらの湯の花とキッチンで使う「焼きミョウバン」、草木染めの色に差を与えるのか実験をしてみました。使う草木はふんだんに使える庭のローズマリーにしました。

少量(15本)を煮出し、いつも通り色を抽出します。少し色が薄い気がしますが、今日はあくまでも媒染剤の比較なので…そして、ろ過した染液に15cm四方の綿布を浸漬させます。

では、今日のテーマ「媒染剤」です。

いつもの焼きミョウバン

こちらが明礬温泉の湯の花。

針状結晶のようにも見え、この時点で焼きミョウバンとは明らかに違います。

お湯に溶かしても、その違いは明白です。

では、しばらくローズマリーの染液に浸漬させたところで、これらの媒染液に入れていきます。果たしてどんな色になったと思いますか?

左から媒染なし、焼きミョウバン媒染、湯の花媒染

せいぜい濃くなるとか茶系になるとか、その程度の違いを予測しておりましたが、まさかモスグリーンのような渋い色になるとは…。調べてみると湯の花は鉄をはじめ様々な金属も含有しているそうで、アルミニウム媒染のつもりが、鉄媒染としても作用したのではないかと思われます。

金属って、環境を破壊しないのかな?と疑問に思ったりもするのですが、媒染は植物中の色素と金属の結合させて色を定着させる…ということで、金属の力を無視することはできません。古くから、ミョウバンをはじめ、椿灰や温泉、泥など金属を含む媒染方法はたくさんあったようです。

ミョウバン中のアルミニウム一つをとっても、人体に影響があるという意見もあれば、安定した化合物なので影響がないという見解もあります。私なりにたくさんの文献を探してみたのですが、今のところ明確な結論には至っていません。

ただ思うことは、出来るだけ古来からされてきた方法で草木染めを楽しみたいな…ということと、明らかに環境に影響のある重金属は使いたくないな…ということです。昔から受け継がれてきた染色方法をもっと探してみたいと思います。

人生知らないことがいっぱい!毎日が自由研究のようです。

 

kana: 福岡県出身、山口県在住。時々沖縄にふらり。 キッチンや庭でひそかに行うゆるゆる草木染め実験も大好きです。